ドライヤーで髪を乾かしているとき、たまに不安になるんです。
このドライヤーが漏電してしまったら……と。
今まさにドライヤーを使っている私は感電するだろうし、それを見て助けようとした家族も一緒に触って感電しちゃうのではないか?と。
というのも、数年前のニュースではあるんですが、海外で日本人夫婦が感電死してしまうという悲しい事故のことを知ってしまったから。
(このご夫婦のケースでは、シャワー室の給湯器が漏電し夫が感電、続いて助けようとした妻も感電し、幼いお子さんを残し亡くなってしまったそうです。)
感電事故の危険って意外と身近に潜んでいるのだな、と実感して以来、いつも「なんとなく不安」な気持ちを抱えていました。
そこで本記事では、
- 感電しないためにどんな備えが必要なのか?
- 家族が感電してしまったらどうやって助けたらいいのか?
といった疑問を解消すべく、感電に関する知識やノウハウをまとめてみました。
不安な気持ちが少しでもあるなら、知って準備しておきましょう!
感電している人を助けるには?自分も守る救助方法事例
もし周りの人が感電してしまったらどうやって助けたらいいの?
そんな疑問を解消するヒントを2つ紹介していきます。
ドロップキック(飛び蹴り)
まずひとつ目は、信じられないかもしれないけど「ドロップキック」。
感電した人を助ける方法を調べていたらこんなバズりツイートを見つけました。
でも今日のクレーン講習で一番ためになったのは感電による救出方法だったな😃 pic.twitter.com/umZnbUpEAV
— 一八@93 (@KLX230N) July 5, 2019
そう、ドロップキックだそう。
人は感電すると筋肉が収縮してしまい、握っているものを離せなくなってしまうんです。
そして、それを助けようとした人がうっかり感電者の身体をつかんで引っ張ろうとすると、その電気が助けようとした人の方へも流れ込んでしまい、同じ仕組みで手を離せなくなってしまうんです。
では、どうしたら助けられるの?
その答えのひとつが、ドロップキックだというのです。
ポイントは、大きく次の3点。
- 感電者へ接触する箇所を1か所に絞る(足裏の1点のみ)ことで救助者に電気が流れにくい
- 足裏で接触するので(ゴム底の靴を履いていれば)電気が通りにくい
- 手ではなく足で接触することで、万が一救助者に電気が流れても心臓へ到達しづらい
ドロップキックは、空中に浮いた状態で蹴りにいきますよね。
蹴っている足はゴム底の靴を履いていることが多く電気を通しにくいし、万が一電気が通ってしまっても、足以外の箇所は地面や壁に接していないので電気の流れる方向がなくなる…
ということで、救助者が一緒に感電してしまう危険を最小限に抑えながら、感電者を電気から引き離す手段、それがドロップキックなわけです。
初めて知った時は冗談かと思ったけど、理にかなっていますね。
とはいえ、ここでふと疑問が湧いてきます。
と。
うまくヒットさせて感電者をその場から引き離せるとも思えないし、そのあと受け身とって無事に着地できるとも思えない……
そんなあなたに、もっと現実的な救助方法の事例をお見せしましょう。
タオルなどの道具を使って引き離す
感電した人を助ける方法 pic.twitter.com/6LgirOGHCk
— パラノーマルちゃんねる (@paranormal_2ch) November 6, 2020
こちらは、感電した人にストールの様な布を掛けて引っ張り離した救助事例です。
左の黒い服の男性が感電し動けなくなってしまった中、右の白い服の男性が身に着けていたストールを使って救助しました。
- 救助者がマフラーなどの道具を使い、直接触ることを防ぐ
- 救助者が被災者を掴んだり握ったりしない
- 短時間で被災者を電気の元から引きはがす
救助者の男性、感電した人の肩あたりを少し触ってしまっていますが、指だけで触っていたのでしょうね、すぐに電気を感じて手を離すことができています。
(これ手のひらで肩を掴むように触っていたら、救助者も連鎖感電していたかも・・・)
その後とっさのひらめきで、自分が身に着けていたストールを被災者の首にくくり一気に引っ張ることで、被災者を電気の元から引きはがすことに成功!
気が動転してしまいそうな状況下で冷静に対応するのはなかなか難しいかもしれませんが、この救助方法自体は現実的に真似できそうですよね。
(現実に起こらないことを祈るばかりですが…!)
感電を防ぐための対策|普段からできる備えとは
ここまで、「感電してしまった人をどうやって助けるか」の事例を見てきました。
続いては、「感電事故を防ぐ」ための対策について考えていきます。
普段の生活で使う家電などは漏電対策が取られているとはいえ、ちょっと挙動がおかしいときなど、触るのが怖いと感じることもありますよね。
電気に関する専門知識が充分にあれば、「これなら全然危なくないよ」などと判断できるのかもしれませんが、専門知識や経験を持ち合わせていない私たち一般人にとっては、ちょっとしたことでも安全に安全を重ねて対応したいものです。
アースがあるものはしっかりアースをとる
まずはお使いの家電の中で、アース線が付いているのにアース接続されていないものがないかチェックしてみましょう。
アース接続を行うことで、万が一落雷や故障で漏電してしまった時に、その電気を大地(アース)に逃がすことができます。
ちゃんとチェックします!
濡れた手で電化製品を触らない
これは基本中の基本かもしれませんが、「濡れた手で電化製品を触らない」ことも普段から意識しておきましょう。
水は電気を通しやすいので万が一漏電した場合、濡れた手で触っていると感電しやすくなってしまいます。
最近は防水対応の家電も多いので忘れがちですが、電化製品に水は禁物です。
【漏電かなと思ったら】触る前にブレーカーを落とす、コンセントを抜く
もし「漏電したかも?」と思ったら、できるだけ身体を触れずに電気の流れを断つことが大切です。
- ブレーカーを落とす
- コンセントのスイッチをOFFにしてプラグを抜く
などをして、本体を触る前に電気の流れを断つことを第一に行うようにしましょう。
【漏電かなと思ったら】ゴム手袋等電気を通しにくいもので触る
電気の流れが遮断されたかわからない状態で本体に触らなければならない場合には、電気を通しにくいものを間に挟んで絶縁しましょう。
電気を通しにくいものとは、身近なもので言うと「ゴム手袋」などです。
電気の専門家が感電の危険のある作業をするときには、「絶縁手袋」というものを使うそうです。
(DIYや車を趣味にしている人も使うのかな?)
とはいえ起こるかわからない危険に備えて用途もなさそうな高価な絶縁手袋を買うのはちょっと…、というのが正直なところですよね。
一般の人にとっては、ある程度の厚さと強度のある炊事用ゴム手袋を常備しておくのが現実的な落としどころでしょう。
(家庭用のゴム手袋の中には電気を通す物質や塗料などが含まれているものもあるので、完璧ではないということは頭に入れておきましょう)
ゴムのほかにも、乾いた板(まな板など)や木の棒など、金属以外の乾いたものを使うのがポイントです。
【漏電かなと思ったら】手のひらでは触らない、手の甲で触る
どうしても手で直接触らなくてはならない場合には、手のひらではなく手の甲で触るように意識しましょう。
ドロップキックのところでも述べましたが、感電すると筋肉が収縮してしまうため、何かを手でにぎってしまうと、より「にぎりを深める」方向に筋肉が動いてしまい、にぎっているものを離せなくなってしまいます。
逆に手の甲で触った場合、筋肉の収縮は「手を握る方向」に起こりますから、触ったものから離れることが簡単にできます。
これは普段から意識しておくといざというときに助かりそうです。
【漏電かなと思ったら】電気の専門家に点検してもらう
「家電製品の動きがなんか変」「いつもと違う音がしてる」「何度もブレーカーが落ちる」・・・
もし実際にそんな不安に直面しているとしたら、ひとりで悩まず専門家の力を借りたほうがよいでしょう。
「電気 修理」「電気 点検」などで検索すると、無料見積もりの相談に応じてくれる電気屋さんが見つかるはずです。
感電の危険や救助事例を知って備えよう!
ここまで、感電している人を救助する方法の事例と、感電事故を防ぐために知っておくとよいことをご紹介してきました。
ドロップキックのインパクトが強すぎですが、もっと現実的な方法を知っておくことで、いざというときに自分と大切な人を助けてくれるはずです。
「感電の仕組み」「感電したら人はどうなってしまうの?」「どうして感電事故で死んでしまうケースが多いのか?」について解説されています。
「どうして電線に止まっている鳥は感電しないのか?」「なぜ電化製品にはアース線が付いているのか?」「漏電遮断器はなぜ必要か?」についてスライド形式でわかりやすく解説しています。